2011年6月30日星期四

「テトリス」に由来するペンネームを使用するほど,テトリスが好きな筆者ではあるが(自分でも初耳),「『テトリス』とは?」という説明をするのはけっこう難しいものだ。

「テトリス」に由来するペンネームを使用するほど,テトリスが好きな筆者ではあるが(自分でも初耳),「『テトリス』とは?」という説明をするのはけっこう難しいものだ。
 「1985年に旧ソ連の科学者 アレクセイ・パジトノフらが開発した落ちモノパズルの元祖」で,「四つの正方形が組み合わさった“テトリミノ”(全7種)が落下してくるので,うまく積み重ね,正方形を横1列に10個並べると,そのラインが消滅」するというルールで,「4ライン同時に消すことを,タイトルである“テトリス”と呼ぶ」と説明したところで,テトリスをまったく知らない人には何のことだかさっぱり分からないだろう。
 逆に,知っている人は「もっと細かいルールやうんちく(幻のメガドライブ版の話や,“殺人マシーン育成ゲーム”であるといった珍説など)があるだろ!」なんて思ったりするかもしれない。
 ただまあ,テトリスについて細かく語るのは,この記事の役割ではないのでこのへんで切り上げ,ここからは4Gamerの読者のほとんどがテトリスのことを知っているという前提で話を進めることにしよう。というのもこの記事は,ガンホー・モードのゲームポータルサイト「ガンホーゲームズ」において,6月5日から9日にかけて行われた「テトリスオンライン」のクローズドβテストのレポートだからだ。


■“あのテトリス”が,“ついにオンラインゲームに!”


「テトリスオンライン」には,「シングル」「VS COM」「マルチ」という三つのモードが用意されている

 “あのテトリス”が,“ついにオンラインゲームに!”と言われたところで,多くの人は「あれ? まだなかったの?」ぐらいに思うのではないか。筆者自身,このニュースを聞いたときにはそう思ったし,インターネット上のあちらこちらでそういった感想を目にする。これはつまり,麻雀や将棋,囲碁などのテーブルゲーム同様,テトリスというゲームが広く認知されているからこその反応なのかもしれない。が,意外なことに少なくともこの日本で,テトリスがPCオンラインゲームとして“正式に”登場したのは,これが初めてである。
 このテトリスオンラインの開発元は,2005年12月に設立された,テトリスオンライン・ジャパン。同社の取締役には,テトリスの版権を管理するThe Tetris Companyの社長である,Henk B. Rogers氏が名を連ねている。
 さて,そんなテトリスオンラインには,大きく分けて「シングル」「VS COM」「マルチ」という,三つのゲームモードが用意されている。
 シングルモードは,その名のとおり一人で黙々とプレイするモードで,さらに40ラインを消すまでの時間を競う「タイムアタックモード」,10分間で何点獲得できるかを競う「チャレンジモード」,そしてレベル15に達するまでの得点を競う「マラソンモード」の三つのゲームがある。なお,「得点」はラインの消し方などによって変わってくる。なるべく多くのライン(といっても4ラインが最高だが)を同時に消すほど,高得点が狙えるのだ。
 一方,VS COMモードは,レベル1~10までのCPUと,1対1で対戦するモードである。複数のラインを同時に消すと,相手にゴミブロックを送り込めるという,逆輸入っぽい仕様(?)なので,ただ闇雲にラインを消すのではなく,相手の様子をうかがいながら,相手を苦しめやすいタイミングを見計らってラインを消すという戦略性が求められる。もっとも,常に上方からテトリミノが落下してくるので,ゆっくりしているヒマはなく,瞬間的な判断も重要となる。



●左:「シングル」の「タイムアタックモード」は,40ラインを消すまでの時間を競うルール ●中,右:「VS COM」の対戦相手のレベルは10段階。レベル1を倒すと,レベル2と対戦できるようになるといった具合だ


■6人までとの対戦プレイが可能だが,未実装の要素も


「マルチ」では,スタート時からテトリミノが設置されているマップを選択することも可能

 マルチモードでは,最大6人で同時に対戦可能だ。個人戦のほか,2人ずつ,あるいは3人ずつのチーム戦にも対応している。また,ゲーム開始時に,障害物が置かれたマップも選択できる。
 VS COM同様,同時に消すライン数によって対戦相手にゴミテトリミノを送り込めるので,自分のテトリミノを効率よく消しつつ,対戦相手の邪魔も積極的に行っていくような戦略性が重要となる。
 ルーム内で対戦相手を待っている間は,一人でプレイしながら時間つぶしをできるほか,ほかのプレイヤーとのチャットも可能。もちろん,ゲーム中もチャットはできるが,テトリスというゲームの特性上,ゲームをしながらチャットを楽しむというのは少々非現実的かもしれない。
 なお,このマルチモードではゲームの結果によって経験値が加算され,経験値に応じてプレイヤーはレベルアップしていく。マルチモードでは,入門(Lv1~10),初級(Lv11~20),中級(Lv21~50),上級(Lv41~99),フリー(Lv1~Lv99)という“クラス”が用意されており,プレイヤーのレベルに見合ったクラスを選択することで,実力が拮抗した対戦相手を見つけることが可能というわけだ。
 タイトルに“オンライン”と付いてはいるが,本作はむしろ,ゲームポータルに欠かせないパズルゲームの,有力な1本と見るべきだろう。その意味で,ルーム内で対戦相手の入室を待っている間,一人でテトリスを楽しみながら時間つぶしができる「練習モード」が用意されているのは,非常に親切であると感じた。
 テトリスという作品自体,ゲームとして確立されているぶん,何か(この場合は,マルチモード)を付け足したところで急激にゲーム性が変わることはないのだろう。プレイしている最中,シングル,VS COM,マルチでそう大きな差を感じることもなく,安心してテトリスを満喫できたのは事実。とはいえこの安心感は,テトリス以降に登場した対戦重視の落ちモノパズルと比較したときに,物足りなさとして映ってしまうこともあるだろう。



ロビーやルーム作成画面は,極めてオーソドックス
 


 なお本作では,プレイヤー達がゲーム内外で交流を図れるように,「TECO」(テコ)というソーシャルネットワークサービス(SNS)が提供される予定となっている。クローズドβテストはゲーム部分のみの公開にとどまったため,TECOを試す機会はなかったが,テトリスとSNSの融合が,何を生み出すことになるのか,要注目だ。
 現在のところ,今後のサービススケジュールや課金体系などは明かされていないので,明確に断ずるわけにはいかないものの,基本的に誰でもアクセスできるゲームポータルで,この作品が提供されるのは歓迎すべきことだと思う。TECOの今後や,サービス内容を含め,今後も注目していきたい。(RMT



自身のプロフィールや対戦成績,ランキング情報などはゲーム内から呼び出せる。こういったデータもSNSと連動することになるのだろうか……?

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